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女子高生アキラ

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ほんとーにただただ突発的に描いたアキラ。 こちら冬服です。 アキラは真面目な優等生ですが、動きやすさを重視して制服はちょっとだけ着崩します。

小説『ゾルダーテン』chap.03:初任務 01

◇ 初任務 01     三本爪飛竜騎兵大隊 ( リントヴルムリッター ) 庁舎、トレーニングルーム。  トラジロは腕組みをして黙り込み、とある人物を眺めていた。その人物とはつい先日 三本爪飛竜騎兵大隊 ( リントヴルムリッター ) に異動となったビシュラ。騎兵隊で引き取るとは言ったものの、ビシュラを見詰めるトラジロの表情は「無」だった。  騎兵隊の一人が棒で打ち込み、ビシュラはそれをプログラムで創出した《牆壁》で阻む。隊員がかなり加減をしていることは誰の目にも明らかであるが、ビシュラはおっかなびっくり必死の形相だ。その様を眺めていると気を抜くとうっかり溜息が零れてしまいそうになる。   「これは想像以上に……」    コツコツコツッ、という足音が聞こえてきて、トラジロは出入り口のほうを振り返った。其処には予想通り、 緋 ( フェイ ) の姿。本日は天尊、ヴァルトラムと共に他隊との会議に出席する予定が入っていた。時間帯からしても会議終了後、その足でトレーニングルームにやって来たのだろう。   「お疲れ様です、 緋姐 ( フェイチェ ) 。総隊長とヴァルトラムはどうしましたか」   「二人とも話があると引き留められていたぞ。じきに戻るだろ」    トラジロに応えつつ、緋はビシュラのほうへ視線をやる。   「ビシュラは何をやってるんだ?」    ちょこまかと動き回っているビシュラは、緋の目には到底トレーニングには見えなかった。それは他の隊員たちにとっても同じ。遊んでいる子どもを見守るように笑いながら眺めている。   「体力測定を少々」   「異動の時に回ってきたプロフィールには目を通したんだろう?」   「大凡プロフィール通りだから困っています」    トラジロからはついに溜息が漏れてしまった。   「プログラムを扱えるのもデスクワーク慣れしているのもありがたいですが、運動能力のほうは多少難アリでしてね」   「あれくらいが平均値じゃないか? “普通のごく当たり前の非戦闘員”だぞ」   「実技の成績はよくなかったと自己申告していましたがまさかこれほどとは」   「お前が、普通じゃない環境だったんだよ。幼い頃からズィルビーみたいなのがずっと近くにいたんだからな」    緋は「アハハ」と笑い飛ばした。

アキラ・ビシュラ01:おまじない

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寝間着姿の女の子を描きたくなったのでアキラとビシュラで。 ビシュラはアキラにはちょっとお姉さんぶりたい。でも眠れないこと全然ないけどおまじないに付き合ってあげるアキラがまじお姉さん。 ビシュラは戦闘能力がゼロというだけで、他のことは大体平均的にこなします。 アキラから見るとビシュラよりティエンさんのほうができないこと多いです。家事とか、治療とか、おもいやりとか(;^ω^)

小説『ゾルダーテン』chap.04:ヴィンテリヒブルクの姫君03

 アキラの質問は少々ユリイーシャを困らせてしまったようだ。眉尻をやや引き下げて苦笑する。 「ティエンゾン様は私が伺っても答えてはくださいませんもの」 「?」  アキラが様子を伺うと天尊は否定もせずツーンとしていた。不機嫌ではないが愛嬌もない。  アキラが感じている違和感をビシュラも感じていた。なんとなくヴァルトラムのほうを見た。  カップを持ち上げ、鼻を近付けてスンスンと匂いを嗅いでいるヴァルトラム。紅茶に好みがある訳でも含蓄がある訳でもない。その行動は野生動物が口にしても大丈夫なものかどうか確認しているのと大差ない。 「歩兵長は御存知ですか? 総隊長の好き嫌い」  ビシュラに話を振られヴァルトラムはユリイーシャを一瞥した。 「アイツの嫌いなモンは、ソイツみてぇなとろくせー女だろ」 「歩兵長ッ!💦💦」  ビシュラは努めて小声で尋ねたのに、ヴァルトラムは何も気にせず普段の音量で答えた。  ユリイーシャは穏やかに「よいのですよ」と一言。紅茶のカップを持ち上げ一口飲んだ。それから茶色の水面に目を落とす。 「ティエンゾン様が私のことをどうお思いか、自分でも分かっておりますもの。ティエンゾン様はリーン様の弟君ですから仲良くしたいと思っているのですけれど、昔から私のことはあまりお好きではいらっしゃらないみたい」  天尊は何も言わなかった。ここは建前だけでも、いいえそうではないと言うべき場面だと思うのだけれど。 「昔からっていうと、子どもの頃のティエンを知ってるんですか?」 「勿論ですわ。私とティエンゾン様の御兄様のリーン様は生まれる前からの婚約者ですもの。幼い頃リーン様の元へ参上した折、ティエンゾン様とも度々お目にかかりましたわ。その頃からよく悪戯されたので恐らく好かれていないだろうと思っておりました」 「悪戯ってどんな?」 「そうねぇ……。覚えているのはドレスを剣で突き刺されたり、大好きな本を暖炉にくべられたり、リーン様からいただいたプレゼントを窓から放り投げられたり、ですかしら」 (ソレって悪戯のレベル……?💧)  なかなか壮絶な悪戯をしていらしたんですね、総隊長。  子どもの頃の話だから今更責めるようなことではないが、幼い天尊は何を思ってこのような美女に悪戯をしていたので

ズィルベルナー01

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ゾルダーテン の ズィルベルナー くん。 トラジロの直下で隊ではエライほうなのに頭のなかが残念。 精神年齢は小~中学生男子くらい。 ティエンさんを超リスペクトしていますが賢くないのでよく叱られます。年下ですが上司にあたるトラジロにもよく叱られます。 隊のことが大好き、女の子も大好き、緋姐のことは大大大大好き。

小説『ゾルダーテン』chap.04:ヴィンテリヒブルクの姫君02

 お茶の支度が調うまで、招待客は前室で待つように言われた。  前室もこれから通されるであろう応接間もユリイーシャの私室の一つ。前室だけで客室同等の広さはあり、隊員たちが寝泊まりしている宿舎とは比べようもない。  ユリイーシャに招かれたのは五人。まずは 天尊 ( ティエンゾン ) とアキラ、そしてあの場にいた 緋 ( フェイ ) とヴァルトラムとビシュラ。  中でもビシュラは見るも明らかにガチガチに緊張していた。  アスガルトでも屈指の宏大な領地を有する大公の令嬢、つまりとびきりの貴人――――お姫様の姿を直接拝謁しただけでも光栄なのに、そのティータイムに招待されるなど気が引けて当然だ。  ユリイーシャ本人は自分の身分を鼻にかける素振りのない気さくな人物のようであったが。 「お姫さまとお茶を御一緒するのに、ほ、本当に普段着でよいのでしょうか」 「本人がいいっつってんだからいいんだろ」  ヴァルトラムはあっけらかんと言い放った。  この男は遠慮や緊張などとは無縁。貴人のプライベートな領域であるこの場においても何も気にしてはいない。だがビシュラの反応のほうが至極まともなのだ。 「大丈夫だ、ビシュラ。ユリイーシャはそういうことを気にする性格じゃない」  ヴァルトラムだけではなく、緋も全く緊張している様子はなかった。寧ろ落ち着いて慣れている風でさえある。  ユリイーシャが直接声をかけたことにしても少なからず面識があるようだ。 「フェイさんはユリイーシャ姫さまとお知り合いなのですか?」 「アタシが、というよりアタシの姉がな」 「フェイさんにはお姉さまがいらっしゃるのですか」  緋は短く「ああ」と答えた。 「姉とユリイーシャが幼馴染みみたいなもので子どもの頃から仲が良くてな、それでアタシも昔からユリイーシャを知ってる」 「ということはフェイさんのお家は相当な御身分の」 「フェイは貴族の娘だ」  答えたのはヴァルトラム。吃驚したビシュラはピンッと背筋を伸ばした。 「そうだったんですか!?」 「そうだったんだ。意外だろ」  緋は冗談みたいに返したが、ビシュラは信じられないという顔で口をポカーンと開ける。その顔が可笑しくて緋はフハッと吹き出した。 「どうして今まで教えていただけな

小説『ゾルダーテン』chap.04:ヴィンテリヒブルクの姫君01

 訓練場。  床に赤いラインで正方形に区切られた5メートル四方のマスが複数描かれている。ライン上に牆壁が出現して外界と遮断され、対戦形式の訓練が始まる。   天尊 ( ティエンゾン ) とヴァルトラムもその一つのエリアの中で対戦していた。二人にとっては軽く流している程度だが、それを目で追えている者は少ない。  トレーニングに励んでいた兵士たちも手を止め二人のエリアに近付いてくる。あっという間に 三本爪飛竜騎兵大隊 ( リントヴルムリッター ) とグローセノルデン騎士団が入り乱れたギャラリーで人垣ができている。  ビシュラと 緋 ( フェイ ) がアキラを連れてやってきたのは天尊から大分遅れてのことだったが、群がっているギャラリーのお陰ですぐに見付けることができた。 「総隊長はあちらにいらっしゃいますよ、アキラさん」  と、言われても人垣に隠されて天尊の姿を見ることはできないのだけれど。 「ティエンでも真面目にトレーニングとかするんですね」 「総隊長はお忙しい方なので庁舎にいるときはなかなかお時間が取れませんが、必要なトレーニングは欠かされませんよ?」 「楽なトレーニングだけやってるとかですか?」 「そんなことはないと、思いますが……」  アキラの言葉にビシュラは首を傾げる。緋はあっははと笑った。 「お前が知ってる総隊長は怠け者みたいだな」 「家にいるときは大体ソファに寝てるかタバコ吸ってるか弟と遊んでるかなので」 「へぇ。まるでマトモな男みたいだな」 (こっちではマトモなことしてないって意味なのかなぁ)  あちらへ行ってみましょうか、とビシュラに促され動き出そうとしたとき、騎士団員に声をかけられた。  数人の騎士団員が次々にビシュラに話しかけてくる。 「ビシュラ准尉、来てくれて良かった。今日は来ないのかと思っていました」 「どうかなさいましたか?」 「相談したいことがありまして」 「怪我の手当をお願いしてもいいですか」 「はい、勿論です」 「騎兵長にお話ししていただきたいことがあるのですが」 「後でお伺いします。少々お待ちください」 「ご相談いただいた飛竜の飼料についてですが手配はどのようにしましょう?」 「はい。騎兵長に御返答を伺ってきます」

小説『ゾルダーテン』chap.04:眠り姫04

 翌日。  ビシュラと 緋 ( フェイ ) は 天尊 ( ティエンゾン ) の部屋でカステラを食していた。カステラは彼女たちの口にも合ったようで、次々とフォークを進める。 「もっと硬いのかと思っていたが全然違うんだな。パンよりも柔らかい」 「美味しいです✨」 「そうですか、良かった」  アキラは安心したようにニコッと笑った。  カウチはテーブルの辺に沿って垂直に配置されている。一辺にはビシュラと緋が、もう一辺にはアキラと天尊が座っている。  彼女たちの前にはカステラを乗せた皿、アキラの前には一口大よりも少々大きく切られた橙色の物体を乗せた皿。切り口は潤い、フルーツの瑞々しさを思わせる。  アキラはそれをフォークで刺し、口へ運んでカリッと囓って食べる。 「アキラさんはイカクの実がお好きなのですか?」 「好きというかティエンがコレしか食べるなって」 「今のところ害のない食い物ってのがイカクくらいしか分からなくてな」  カウチの肘掛けに凭れかかっていた天尊は上半身を引き上げた。 「かと言ってコレばっかり食わせてる訳にもいかねェしな。他にもミズガルダが食えるもの知ってるか? ビシュラ」  天尊の質問に答える為に素早くもぐもぐと動かして口の中のカステラを急いで飲み込んだ。 「アスガルトの食べ物がミズガルダに及ぼす影響にはあまり詳しくなくて。個体差でアレルギー反応が出るかも知れませんし、まずは色々なものを少量ずつ召し上がってみてはどうでしょう」  天尊はアキラの横顔をじっと見る。少量といえども毒とも知れないものをアキラに与えることを躊躇している。  ふと天尊と目が合うとアキラは小首を傾げて安心させるように微笑んだ。天尊が心配そうにしていることを汲み取ったのだ。この男は機微などほとんど表情に出さないというのに。 「ちょっとならきっと大丈夫だよ。ティエンだってわたしが作ったもの食べても何ともないじゃない」  大丈夫でなければどうなる。もしも毒を引いてしまったらどうなる。人は皆、当たりクジを引こうと思って外れクジを引いてしまうものだろう。  もしもの懸念をしていては話が一向に進まないことは分かっているが一抹の不安が拭えない。天尊はスッキリしない表情で溜息を吐いた。 「イカクの実が大丈夫なの

小説『ゾルダーテン』chap.04:眠り姫03

「あー! もうこんな時間っ」  ビシュラは目を覚ますなり大声を上げた。  獣耳を抓まれてツンと引っ張られる感触がして「んっ」と顔を顰める。 「寝起きから騒がしいヤツだ」  ヴァルトラムを見てビシュラは目を大きくする。 「なんでまだいらっしゃるんですか。もう昼前ですよっ?」 「今頃目ェ覚ましたヤツに言われたかねェ」  ヴァルトラムは悠然とベッドに横になっている。枕に肘を立てて頭を置き、ビシュラを見下ろしながら獣耳を指で撫でている。 「わたしの荷物フェイさんの乗り物に積んだまま……どうしよう」  ヴァルトラムとは対照的にビシュラは若干パニック。オロオロと忙しなく視線を左右させる。 「ヒマなヤツに運ばせた」  ヴァルトラムは部屋の隅を親指で差した。その方向を見ると確かにビシュラのバッグが置いてあった。 (フェイさんたちには何があったか大体バレてるんだろうなぁ……あああ、どんな顔して会えばいいんだろ💦)  ビシュラは顔を両手で覆って俯く。緋やマクシミリアンと対面したときのことを想像しただけで身を捩りそうだ。  ギッとスプリングが沈み、ヴァルトラムが体勢を変えたことが分かった。ビシュラが指の間から見てみるとヴァルトラムが覆い被さるように自分を見下ろしていた。 「昨日は随分よかったみたいだな? 耳出っぱなしだったもんなァ」  ヴァルトラムは得意気に犬歯を剥き出しにする。ビシュラは指の間を閉じ、人の耳を真っ赤に染める。 「俺に刃向かったらどうなるか分かったか? 次やったら……」 「し、しません! しません!」 「今後は温和しく俺の言うこと聞くんだな?」  ビシュラは素早くコクコクコクッと頷く。 「イイ子だ」  ヴァルトラムはビシュラの手首を柔らかく捕まえて顔から退けさせる。眉を八の字にして恥ずかしそうに頬を赤らめる顔はヴァルトラムが満足がいく愛らしさだ。  ヴァルトラムはやや首を傾げるように角度を斜めにしてビシュラにゆっくりと唇を重ねた。 「んっ……」  頭を撫でると同時に獣耳に触れる指がくすぐったい。こんな風に獣耳に触れる人は今までにいなかった。蔑みの対象でしかないと思っていたのに。  ヴァルトラムの唇が離れると、ビシュラはガバッと体を起こ

ヴァルトラム02:立っているだけで威圧的な歩兵長

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ビシュラの入隊試験時をイメージ。 こんなのと戦えって言われたらガクブルですよね。 ちなみにヴァルトラムさんはティエンさんよりも年上です。でも態度がデカイのは年上だからじゃなくて性格です。